過去の問題に取り組む目的は、いま述べたように?出題傾向?出題方式?難易度?合格点を知り、これからの受験勉強に役立てることにあります。出題傾向などがつかめれば目的は達成したことになりますが、それを一歩深く進めるのが、受験対策の極意です。せっかく志望校の出題と取り組むのですから、本番に即した受験対策の場に活用すべきです。どうするのか。第一は、実際の入試と同じ制限時間を設定して問題に取り組むこと。試験時間が六十分なら六十分以内で挑戦し、時間配分を感覚的に身に付ける訓練です。二番目は、きっちりとした正答チェック。正解できなかった問題は、正解できるまで、徹底的に攻略する心構えが必要です。間違えた場合は、単なるケアレスミスなのか、知識不足が原因のミスなのか、考え方が根本的に間違えていたためのミスなのか、きちんと確認して、必ず正解が書けるようにしておく。
子どもがスランプに陥ったときは、親も困惑します。そのため、「こんな調子ではどこも受からないわよ」「もう受験するのを止めにしましょう」などといった、言わずもがなのことをつい口にしてしまいがちです。後になって冷静になってみれば、こんなことを言って、いいことは何もありません。私の知人に、私立女子校でバレーボール部の顧問をしている先生がいます。強豪校と試合をしたとき、まったく歯が立たず、相手のスパイクが次から次へと床に落ち、選手は足がすくんでいました。そのとき、先生はタイムをかけ、「足でも何でもいいからボールを上に上げなさい!」ひと言、それだけを言いました。すると選手たちは、壁にぶつかることも怖がらず、必死にボールに食らいつくようになりました。端的で効果的なひと言。スランプのときだからこそ、子どもの元気が出る、とっておきのひと言を言ってあげてほしいものです。
小学校四年生でも、早寝早起きで体がくるくる動く子がいる。食べた後は食べたものを自分で片づける。自分が着る洋服は、衣替えを自分でする。自分の意志の弱さを嘆いている受験生たちは生活ができていない。彼は、小学校四年生以下の生活しかできない。だから夏休みや冬休みには、爪の切り方から始まって、自分の生活を自分の責任ですることを練習する。夏休み・冬休みなど、長い学校の休みには、生活が乱れないようにすること。そして最後に付け加えておきたいのは、意欲は段階的なものであるということである。一気に意欲的にはならない。意欲増強の「魔法の杖」を求めない。受験生の聞いてくることはみんな「何か魔法の杖はないですか?」という質問である。意欲を出すには、小さなことをきちんとできるようになることが大切。